グレの視力でハリスは見えるか、マキエの摂取量      




グレの視力でハリスは見極めれるのか、視覚からハリスの角度をどの様に取ると見え難いか又視力は人間になおすと何度か何センチの所で見えるのか・・・
グレの腹はどの程度で満腹間を覚えるのか等気になる事を紹介します

広島大学生物生産学部水産増殖学研究室の海野先生の学術博士であり釣り人である研究成果の中からフカセ釣りに関係深いこと私がフカセ釣りに役立つなあと思う事について視力とハリス・視覚・グレの摂取量と釣果・水温と魚等について私なりに噛み砕いてまとめて見ました、 此れを読んでフカセ釣りに役立てて欲しいと作って見ました


      グレの視力でハリスは見えるか  ?
1. 釣りのタックルを考える
グレ釣りのタックルを考える時ハリスがありますが大物がターゲットの時に太ハリスで釣りたいがグレやチヌに見破られているのではないかと・・・
此れは釣り人が釣り場で悩むことの多い問題ですね、此れを読んで解決出来ればと・・・
2. グレの視覚魚眼について
:視覚について
@ グレの視覚範囲は広いが視力は弱い

人間は単眼視野は真横程度ですが魚は後方まで確認出来、非常に広く広範囲のエサを確認出来るようになっているが距離感や視力に重要な両眼視野は人間は100度、魚は30度と狭いのです
A 視覚は運動視覚、明暗視覚、形態視覚、色彩視覚に分けることが出来る
グレがハリス、エサを見分けるのは形態視覚で能力は視覚になりますがグレの視力は0.2程度で良く無い
3.
:視軸について
@

A
視軸は網膜で焦点を合わすと最大視力を発揮しますが最大視力を1.0すると廻りは0.2〜0.3に落ちます周辺はさらに落ち0.1程度で見えなくなります
チヌは下方向型でグレは上方向型でこれらの結果は魚の摂餌生態を反映しています
チヌ遠投釣法 
@ チヌの視軸方向(遠近調節ができて最大視力を発揮できる方向)は斜め下方です
A 遠投釣法では、チヌ達は常に水平から上方の餌を見ていることになるのです、これらの角度ではチヌ達は充分な視力を発揮できませんから、ハリスやハリなどのタックルが識別しにくくなる 
B  厳密に考えれば遠投釣法でチヌが浮上するには、チヌ達の活性や群の数も関係しますが、こうした視覚生理の「死角」の無意識の利用が釣果を上げている要因になります
グレ釣りは 
@ グレ釣りで大切なことはグレを浮せて釣ることでしょう、このため私達はマキエ使い(比重、種類、量)に相当気を使います
チラチラと見える程度にグレを浮かせればアタリも鮮明でハリ掛かりも良いようですが、浮グレが食い付かないとか、サシエに見向きもしないといった経験された事は有ると思います
A グレの視軸は斜め上方型ですから上方にあるタックルに対しては最大限の視力を発揮でき、下方は見え難くなるので,釣るときのサシエがグレの遊泳水深と同じ平行上にある事が死角利用してよく釣れる要因となりますからグレ釣りは仕掛けの角度とタナ合わせが1番大事になります 
B グレの視覚範囲は 
1
2
3
水平から下30度、上30度が見え難い角度になります 
水平から上30度から45度が少し見え難い角度になります
水平から上45度以上は良く見える角度になります
  * このことからサシエ位置は水平から上20〜30度にあるのが一番良い角度になりますこの角度はサシエは確認
     出来るがハリス・ハリの結び目等は見え難い角度になる
 
視覚範囲 の図解 
4.
:張りと運動視覚
@ 魚でも、動く物体に瞬時に反応する神経機構があり、縦や横といったある一定の方向に反応するように分業されているらしいのです:
A スタートラインに団子状態になったマラソンランナーを思い浮かべて下さい
選手が一斉にスタートしますが、このとき運悪く、ランナーが転倒したとします、この場面で私たちの印象に残るのは転倒した選手なのです
撒き餌を打てばグレやチヌはまず撒き餌に興味を示しますが、この撒き餌はメインの選手集団、仕掛けを張ったときのサシエは転倒した選手です、魚が撒き餌の動きを基準にしていれば、張られたサシエは、動いて非常に目立つ存在なのです

仕掛けを流している時道糸に張り与えればサシエは撒き餌の中で動き目立つ存在ですからグレが気づくいて喰う確率も高く成ります
5. グレの嗅覚と視覚について
@ 水中では光は水に吸収されて通りにくい(見え難い)のです

海水の透明度は季節や海流の影響を受けて沿岸地区は数メートルですから遠くは見えません、グレやチヌが良い視力を持っていてもムダで退化して現在の視力なのです
A グレはその代りに嗅覚を発達させているのです

魚の脳の一部に嗅覚情報を処理する「嗅葉」があります、嗅葉や視葉の大きさは魚のどの感覚器官に頼ってエサ探しているかにより目安になりますがグレチヌは遠方は嗅覚依存型で近くに来ると視覚で確認する方法で捕食します:
6. グレの視力について
@ 視力は人は5m離れた距離から幅7.5mmのランドルト環の1.5mmの幅を見分けることですね
人間にでも視力1.5の人と0.2人の差はある程度わかりますね、視力検査は白地に黒と見分けやすくなってます
A グレの視力は人間に直すと0.2程度です視力は今まで思っていたことからすると以外と悪いですね
此れが水中では一段と見え難くなり、濁りや曇りの日、朝晩の暗い時は条件も悪くなり一段と視力は落ちるのです
7. グレがオキアミ・ハリスの見える距離は
@ オキアミでは
グレは5m離れて1.1cm程度、チヌは5m離れて1cm程度のオキアミが確認出来ることになります
A ハリスでは
2.0号の直径は0.235mmでグレは10cm ・ チヌは12cm距離で見えることになる
1.5号の直径は0.165mmでグレは  9cm ・ チヌは10cm
距離で見えることになる
B ハリスより針の耳グレやチヌ等がスーと近づいて来ては反転する場合・・・
ハリスが見破られているのではなくハリの耳や結び目を気にしている
ハリスに光があたり乱反射する「チラツキ」による違和感ではないかと判断できます
   黒いハリスもあり、チモトの小さいものも発売されて、又通常の黒色・茶色・オキアミ色のハリもあり又銀色ハリはマジックで黒くする
   事で、 この点も対策は可能です
本当に 見えるのか ? 
@ 条件は背景がランドルト環の背景の白で見やすい条件の場合ですから海中では濁りや波、曇りの日や朝晩の暗い時は一段と条件も悪くなります
又ハリスは透明です、だからグレやチヌが10cmの距離でハリスを確認出来るかどうか疑問です
A それよりはハリの耳や結び目の方が見え易いと判断できます
又ハリスの太さを見分けるのではなく、光がハリスに当たり乱反射する「チラツキ」がグレ・チヌに違和感を与えて警戒心を持たす事の方が大きいと考えます 
B 現在、主流のハリスはフロロカーボンで屈折率は低いが水中透明度ではナイロンに勝りグレの視力対策と強度に向いていますがハリスが白くなると効果が悪くなるので早めの交換が必要です 
C 我々も仕掛けを上げてハリスつかもうとするとき晴れの日は見えやすいが曇りの日は見え難いですね、グレチヌも同じだと思いますし視力は明るさにも影響されます 
D グレ等は曇って小雨位で多少波けのある天候の場合がよく釣れるといいますが以上の条件が仕掛けを見え難くしていると考えて間違いないと思います 
釣る場合 の注意点 
@ ハリスは朝夕、晴れ曇り、水の濁りなどで太さを変える又白くならない前に交換する
A ハリの結び目は出来るだけ小さくする
B オキアミ色のハリを使用する
C ハリは短軸の小さめを使用しオキアミの中に隠す
D ケン付きハリでオキアミがズレて見えるのを防ぐ
E ハリスは最近黒いハリスが発売されているし、オキアミ色の針もありグレに見分け難くなっています
   さらに通常の針にはチモトにマジックで黒く塗れば対策も可能です、チモトの小さいものも発売されて来てます
   *  耳の小さい針で短軸のケン付き針が発売されてないがあれば使用すると良い


グレのマキエの摂取量と釣果は比例するか     

1 マキエの疑問・・・
@ グレ釣師の中には、エサ取りやコッパが多いときは多量のコマセを撒き、エサ取りが少ないときは少量のコマセを撒く人がいますがグレを満腹にさせないためでしょう
食いが立っても食い気を持続させるために少量のコマセを撒いている人もいます、私もグレのマキエの柄杓は中・小の大きさの柄杓カップを準備して使い分けています 
A また、なるべくグレにコマセを食べさせないために、粒の小さな配合餌を意図的に添加したり、オキアミの量を少なくしている人もいます
B 釣り友の中には中途半端なコマセを嫌い、いつでも多量に撒く人もいますが…
C 配合剤はグレの満腹間を加速させて喰い気をなくする
2
グレのマキエの摂取量 (マキエ初めて2時間で釣り上げたグレの摂取量を比較) 
使用した撒 きえの内容  
1 オキアミ3k、配合剤2袋の計5Kを使用して釣り上げたグレの胃の内容物の重量を調査したものです
グレの体重は100〜200gで150gが1番多かった、摂取量の平均は1.78%で腹五分です: 
調査内容 を一覧表       
      
3 グレと養殖魚のエサの摂取量を比較検討
養殖の魚 の餌量 
@ チヌやマダイなどの養殖では、体重に対して3%を目安に餌を与えています、3%の摂餌量は「腹八分目」といったところです、餌のロスも少なく成長への餌の効率が良いためです
グレの 摂取量 
@ A 結果としては、腹八分以上の摂餌量(3・0%以上)のグレが少ないことです

B 今回使ったコマセはオキアミ3Kと配合餌2Kの計5Kで62尾の胃の中身のコマセの総計は約160g程度でしたから、コマセの
  ほとんどがどこかに消えたことになります

C 釣られなっかたグレが飽食し結果的に彼らがサシエを食わなくなったとすればつじつまが合いますからやはり撒きすぎは要注意
  かもしれません、ただし、釣られたグレの中に、何も食べていなかったり摂餌量の少ない(0・5%以下)グレの数が極端に少なか
  ったことも要注意です
4 グレを釣るためのマキエの量と注意点
グレ釣りのマキエの量 
     グレを効率良く釣るためには、グレにある程度のコマセを食べさせるのがいいようです
その量は腹五分程度で腹八分では喰いは落ちて来る
:
@ トーナメント等の2時間程度の釣りの場合はマキエの量は喰い気を出すために多量に撒いても良いが釣れだすと少し押さえて
   釣る、磯交代の時間が来る30分前から又多量に撒き、グレの満腹間を加速させて磯の交代の準備をする釣り方が良い
A 1日釣りする場合は喰いを持続するために釣れだすとマキエは少量にする

B 私の考案した「ボイル少量マキエのグレ釣法」では半日釣りでボイル3kを限度としてます
       
私のHPの釣りの信条に「ボイル少量マキエのグレ釣法」を記載してます:
長時間 の場合は 
撒き始めて2時間の結果ですから此れ以後の結果は出ていないので不十分ですが、私は今までの経験から以上の事由は2時間以降も変わらないものと判断してます

「注」天然エサをどのくらい食べていたか、エサの種類で変わるのかなど疑問点も残ってますが・・・


水温とグレの適応性は      

1. 水温とグレの関係
@ グレは気候や潮の具合によって釣果が左右されますが瀬戸内海のチヌはもっとやっかいです
閉鎖性の強い瀬戸内の水温は10℃以下に下がるためウンともスンとも言わない日があるのです
A 水は熱の伝わる度合が、空気の20倍以上、熱容量も空気の5倍以上にもなります
B 魚はエラ呼吸の為、水温の変化は即魚体へと伝えられ、、体温は廻りの水温とほぼ同じ状態になるので水温の変化によって体温も変わるので、適正水温塊の場所に移動します又水温の上下により魚の喰いにも影響が出ます:
C チヌの適性水温
水温の低下は魚の体温を下げ、エサの消化吸収・酵素反応・呼吸量などに大きな影響を及ぼす
チヌ達の最適水温は地域により差はありますが、だいたい12〜25℃とされています
この範囲では摂餌が最も活発化し、同時にエサの消化吸収・代謝も最大になります:
その他の適性水温 
@ グレ      16〜23度 B マダイ     17〜20度
A チヌ     12〜25度 C ブリ      15〜20度
B イサキ   20〜28度 D イシダイ    18〜23度
 チヌは水温変化に対応出来るか
@ 急激な水温変化はチヌにショック死を起こします、魚が温度変化に対して非常に敏感なためでチヌも同じで、1時間かけて水温を10℃下げても半分近くは死亡します 
A 魚の温度感覚器官は、古くは側線にあると考えられていましたが、今では人間と同じように皮膚にあるというのが定説です 
B 瀬戸内海では冬場は水温10度前後になりますが、島南側の太陽が当たり水深のある水温変化の少ない磯で潮の動きが穏やかな場所で寒チヌは釣れやすいです
チヌはグレよりは水温に変化に強く、水温適正範囲も広いので寒チヌ釣りも可能ですし、チヌ釣りは下記の水温変化からも午後が適している 
C どれくらいの温度変化を感じているかを実験で調査した結果、ほとんどの魚が0・03〜0・05℃の温度変化を感知できることが解りました 
グレはどの程度水温変化に敏感か 
寒グレは「気まグレ」と言いますが0.5〜1℃下がれば喰い渋り、2℃下がれば喰わないと釣り人仲間では常識ですが水温の変化がグレの体温を下げ、エサの消化吸収・酵素反応・呼吸量などに大きな影響を及ぼして喰いが悪くなりますし、水温が15度を切って来るとグレは大半は捕食活動を辞めて海底の岩のスキマにじっとしているのです
  四国西海等では水温が15度以下になると極端に釣れなくなります、四国は黒潮の影響で水温も変わり黒潮の流れが足摺岬に接近すると水温も高くなりグレの活性も高くなりグレが釣れる傾向がありますし特に尾長グレはこの傾向が強い 
四国の過去の一年間の水温変化図 (愛媛大学沿岸環境科学研究センターの資料による)

沖の島  過去の月別平均水温チヌは水温変化に対応出来るか 武者泊・福浦  過去の月別平均水温
2002年 2003年 2004年
1月 15.6 18.1 18.6
2月 15.1 17.6 18.0
3月 15.8 17.1 18.3
4月 18.0 18.3 19.4
5月 19.0 21.2 20.2
6月 22.0 23.7 23.4
7月 24.1 24.6 26.1
8月 25.4 27.5 26.8
9月 25.2 27.7 26.5
10月 23.2 25.2 24.4
11月 20.8 23.8 22.2
12月 17.9 20.7 20.6
2002年 2003年 2004年
1月 17.2 17.5 18.2
2月 17.1 16.7 17.2
3月 17.5 17.1 17.8
4月 18.5 17.9 19.3
5月 21.7 21.1 20.2
6月 23.7 23.0 23.3
7月 25.8℃ 24.9 26.3
8月 26.8 26.8 27.1
9月 26.8 27.3 26.9
10月 24.1 24.5 24.3
11月 20.3 22.8 21.8
12月 19.6 19.9 19.6
広島水産試験場で計測した瀬戸内海の月の海水温度の年間表
水温の変化・竹原観測所 : 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
広島水産試験場の
月上・中・下旬の温度

(05年の観測結果)
上旬 12.1 9.8 9.9 11.7 14.8 18.3 21.7 25.1 25.5 23.4 20.0 15.6
中旬 11.2 9.8 10.3 12.7 15.8 19.4 22.8 25.4 25.0 22.3 18.6 14.4
下旬 9.7 9.7 11.0 13.8 17.0 20.4 25.1 25.6 24.4 21.2 17.1 13.2

夏場の水深の水温差
(
岡山水産試験場、牛窓)    
表面下 0.5m 表面下 2.0m 表面下 4.0m 2005年 08月 の 1時30分頃の
自動計測温度による
8月 26.9 26.8 26.8
11月 16.7 16.7 16.7 2005年 11月 の 1時30分頃の
2月 08.3 08.2 08.2 2006年 02月 の 1時30分頃の
夏場は水深に寄る温度差は少ないものと思う、河口付近や潮流の速い場所は変化があるものと思う広島水産試験場(竹原)の場合の表面水温は25.6度と場所により水温差は大きい
一日の時間帯の海水温度
06年2月14日の変化(牛窓) 
AM
09:00
AM
10:00
AM
11:00
AM
12:00
PM
01:00
PM
02:00
PM
03:00
PM
04:00
PM
05:00
PM
06:00
海面下0.5Mの水温  7.7 7.8 8.0 8.1 8.3 8.2 8.3 8.3 8.3 8.3
海面下2.0Mの水温  7.8 7.8 7.8 8.1 8.2 8.2 8.3 8.3 8.3 8.3
海面下4.0Mの水温  7.7 7.8 7.8 8.1 8.2 8.2 8.3 8.2 8.2 8.3
 「注」 上の図から判断すると、寒い時期の天気の良い日は午後には水温が上昇するのでグレ釣りは水温の上がる午後の釣り行きが適しているものと思われる